挫折を味わった選手が故郷に集い、ついにカーリングで初のメダル獲得

やりました。
2016カーリング世界選手権の準決勝ロシア戦に勝利し、ついに日本の念願かなって銀メダル以上が確定。

オリンピック・世界選手権というカーリングの二大世界大会を通じて男女共にメダルが無かった日本。2006年トリノ五輪チーム青森がおこしたカーリングブームを受けて各地で通年の専用競技場が新設されるなど競技環境が急激に整ってきたわけですが、ついに10年という時間をかけてそれが実ったなという感慨。

今回の代表はロコソラーレ北見(LS北見)。所属選手はここ数年どちらかといえば挫折を味わってきたメンバー ばかりです。

2010年までチーム青森に所属していたチーム創設者の本橋選手(マリリン)は生まれ故郷の北見(旧常呂町)に戻ってロコソラーレを創設。しかしその翌年にトリノでチームメイトだった小笠原歩(旧姓小野寺)、船山弓枝(旧姓林)コンビが北海道銀行の支援を受けて札幌でチームを結成。しかも2012年には通年のカーリング場まで作ってしまい競技環境レベルは北海道でもダントツの存在に。さらに2010年以降急速に台頭してきた中部電力の存在もありロコソラーレは国内で常に3~4番手というポジションになってしまいました。

吉田知那美選手は4人いた北海道銀行の立ち上げメンバーの一人ですが、選手としてはほぼリザーブの立場に。2014ソチではレギュラーセカンドのインフルエンザでの欠場という思わぬ形で出番が回ってきましたが悔しい思いをし続けてきたはずです。ソチの後に北海道銀行からロコソラーレへと移籍。この選手も生まれは北見。

藤沢五月選手は中部電力のスキップとして2011年から2014年のカーリング選手権で4連覇するなど国内では敵無し状態を誇りソチへの出場も確実視されていましたが、肝心の代表決定戦で北海道銀行に敗れチームとして大きな目標に掲げていた五輪代表の座がするりと手からこぼれ落ちてしまいました。コアなカーリングファンしか見ないであろう世界選手権と違って冬期オリンピックの観戦者数・影響度は段違いのもがあり、そういう意味ではまだまだマイナースポーツの域を脱しないカーリングにおいては4年に一度のオリンピックに出てメダルを取る事が最大の目標であり、そのために各チーム切磋琢磨していると言っても過言ではないです。直前まで国内で無双していた中部電力にとって痛恨時だったであろうことは想像に難くないでしょう。さらに美しすぎるカーリング選手として注目を集めていたチーム主将の市川美余選手が結婚で退部したことが決定的となり中部電力は国内No.1の座を北海道銀行に完全に譲ることになってしまいました。藤沢選手は2015年に生まれ育った北見へ戻りロコソラーレへ加入します。

悔しい思いをし続けてきた選手達が生まれ故郷のチームに戻り、念願かなってついにメダルを獲得。ストーリーとしても出来過ぎな展開ですね。かっこいい。本当におめでとうございます。

女子サッカーのなでしこがリオ五輪への出場を逃して競技環境の低下を危惧されているように、マイナースポーツは注目度が段違いのオリンピックに出続ける事が競技環境の維持に最低条件。カーリングはなでしこ以上にオリンピックに出続けることが大事なスポーツです。もし来年の世界選手権に出場できなかったとしても今回の2位以上に与えられるオリンピック出場権ポイントは12点以上で、前回ソチは男子10点、女子9点が最低出場ラインだったことを考えれば2018年平昌への出場権もこれでほぼ確定でしょう。メダル獲得と合わせて二重に嬉しいし、他のチームもほっとしているのではないでしょうか。

北海道銀行の練習拠点は私の自宅から歩いて行ける所にあるだけに頑張ってほしい気持ちもありますし、でも何となく今まではロコソラーレの方を応援してきました。チームとしてのストーリーみたいなのに惹かれるというか。それだけに今回のメダルは嬉しいですね。

さて、悔しい思いをしてきたのはロコソラーレだけじゃありません。ロコソラーレと国内No.1の座を争っている北海道銀行の小笠原・船山選手の生まれも北見。後輩達の躍進をどんな思いで見ていたでしょうか。自分たちが初のメダルを、という思いが少なからずあったはずです。また、今年の日本選手権の優勝を逃した事で2016世界選手権・パシフィックアジアの代表に加え、来年地元札幌で開かれる冬季アジア大会への出場権すらもロコソラーレにかっさらわれてしまいました。北海道銀行が2018年平昌の代表になるには2017日本選手権で優勝した上で、さらにロコソラーレとの代表決定戦に勝利しなければならず茨の道が待ち受けています。日本の初メダルを手放しで喜んでいるとは思えません。メラメラと燃えるものがあるのではないでしょうか。

また、今年の日本選手権で準優勝したチームフジヤマ(富士急)。トリノバンクーバーへの出場をかけた代表決定戦でチーム青森に敗れ五輪逃し続けてきた元チーム長野のスキップだった西室淳子選手(旧姓・園部)が率いています。10年越しの雪辱を晴らして大穴での代表獲得はあるのか。2018年平昌代表チームが決まる来年の日本選手権はお互いに相当な火花を散らしそうで今から楽しみです。

ってその前に世界選手権の決勝戦が残っていました。地元カナダが振るわない中スイスの強さは頭一つ飛び抜けている印象があり正直勝てる可能性は低いのかなあ。でもこんなチャンスもう二度と来ないかもしれない。頑張れ日本、頑張れロコソラーレ。中継は明日28日(月曜日)BS1で朝6時からです。

(28日決勝戦後追記)
悔しい。残念。
堂々の銀メダルなんだけど、選手みんな手放しで喜ぶ姿を見たかった。
LS北見の選手の皆様おつかれさまでした。
涙。